月刊(?) 勇者屋ファイル |
第6号 「魔王傀」 |
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旋璃亜様の心に変化が生まれる。
勇者屋ファイルVol.6始まります……! |
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今回は随分気合いが入っていますわね?
覇綱お姉様。 |
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え、そ、そうかな?
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魔王傀と出会った時の旋璃亜様の心の変化が、
覇綱ちゃんが生まれたきっかけになったからね。 |
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うん、旋璃亜様、魔王様の事を信じたくて信じたくて、
でも、現実はいつも優しくなくて……。 |
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旋璃亜様の中で、魔王様もお母様もお姉様方も、とっても大きな存在なのですわ。
その想いが、私たちを誕生させるほどに。 |
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私達は、旋璃亜様が何かを失った時、生まれるけれど、それを埋めて補うなんて事、出来ないし、
旋璃亜様には何も失って欲しくないな…… |
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閃那お姉様……。 |
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□今回の勇者御一行(アイウエオ順(ファーストネーム)) |
コメンテーター:GM |
No DATA |
「静かなる魔皇姫」 琥珀 / ??? / 外見18歳 / ♀ |
何やら魔族に縁多い謎の美女。ひなたぼっこをこよなく愛する。今回、隠された威厳の片鱗を見せ、龍刹に生き方を説く。優しさと厳しさを備えた麗人である。
ただ、何故魔王と闘うのか。自分の行くべき道を求めて彷徨っているかのようにも見える彼女である |
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「漆黒の麗姫」 旋璃亜・V・ファルバルディン / 魔王の姫 / 17歳 / ♀ |
魔王軍の動向に、その長たる父への想いに揺らぐ魔王の姫。
迷い、悩む者は成長して行く。彼女が答えを導く時、それは大きな力になるだろう。
今は未だその想いにゆれる幼き勇者の卵。
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No DATA |
ロウ=ディム / カガク / 725歳 / ♀ |
明らかにアヤシイ黒豹。でもそれを誰かにつっこまれることは決してない。
常に「今やるべき事」を優先し、冷静な目で周囲を観察する。「信念」という概念を持つ者を好む傾向があるようだ。どうやら、ただのケモノではない・・・・。口からミサイルを吐く。 |
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□関係者(アイウエオ順) |
コメンテーター:GM |
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「炎の」イプシロン / 魔族 / 外見20歳 / ♂ |
魔王の従騎士「炎の」イプシロン。現在、紫の都に滞在するために、城の厩で馬の世話をしている毎日である(涙)。炎を剣として操る炎熱の魔法剣士。
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No DATA |
「氷の」カイ / 魔族 / 外見23歳 / ♂ |
魔王の従騎士。ふざけたナルシストだが、その真の姿は、冷気に映える氷の貴公子である。「セイレーン・オブ・コキュートス」という、強大な冷気を放つ必殺技を持つ。
死体愛好家というアブノーマルな面を持つ。
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No DATA |
「生の」クスィー / 魔族 / 外見15歳 / ♀ |
天使のような微笑みを浮かべる、無邪気な少女。魔王の従騎士「生の」クスィー 。
そして、魔王軍の粛清官でもある。「嘆(なげき)」という名の大鎌を振るう。 |
No DATA |
「風の」ゼータ / 魔族 / 外見23歳 / ♀ |
魔王の従騎士「風の」ゼータ。
琥珀に「早々に紫の都から立ち去れ」といった警告を与えて消えた。
一刀に命を預ける、鮮やかなる疾風の剣士。 |
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「陽光の闘姫」 龍刹 / 魔王の姫 / 外見17歳 / ♀ |
紫の都を治める、激しく、そして心優しい王。その破天荒さ加減は常軌を逸するが、魔王軍に牙を剥く者としては心強い限りである。 |
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□今回の活躍 |
その日、勇者達はあわただしい朝を迎えた。
不戦条約を結んでいたはずの隣国「コルク王国」が軍を率いて攻め込んできたのである。朝方の奇襲であった事や、彼らの異様な士気の高さからも、紫の都の軍は押され気味であったが、勇者達や龍刹姫の活躍により、何とか撃退に成功した。
しかし、コルク王国軍は、目を紅く血走らせ、うわごとのように「龍刹姫を殺せ! 紫の都を滅ぼすのだ!」と唱えていた。その上、明らかに一般人とおぼしき者達までが軍に参加していたのであった。
事態を重く見た龍刹姫は、親衛隊を引き連れコルク王国へと早駆けする。勇者達もその後を追い、コルク王国へと侵入した。
コルク王国にて龍刹姫と合流した直後、建物の影から現れた槍を持った兵が、龍刹姫に襲いかかった。俊速の動きを見せた勇者達の働きによって倒されたその兵は、年端もいかぬ少年であった。
何者かがコルク王国の国民達を操っている―――。
そう確信すると共に、その何者かに対して怒りを燃やす勇者達と龍刹姫であった。
ズカズカと大通りを進んで行く龍刹姫について、国の中心たる城に踏み込む。しかし、そこには全く人の気配は感じられない。「彼らは夜を好むわ。夜まで待ちましょう」という龍刹姫の言葉に従い、夜まで待つこととなった。
客室にてしばしの休養をとる勇者達をよそに、月光を飾ったベランダで、龍刹姫は自分の弱さをのろい、涙をこぼしていた。
「自分を信頼してくれる臣下の者達を、私はこの体を張ってしても護ることが出来ない」
そんな彼女を、琥珀は優しさを込めて叱咤激励するのであった。
そして、月は天を極め、夜を迎えた城内に、凄まじい冷気の流れが溢れ出した。
その根元を追い、先刻は誰もいなかったはずの王座の間へと踏み込んだ勇者達。
そこに待ち受けていたのは魔王の従騎士「氷の」カイであった。今までのふざけたイメージを一転して正体を現した彼の冷気の前になすすべなく、善戦むなしく氷漬けにされた勇者達。
しかし、カイは勇者達にとどめを刺すことなくその場を去る。彼の、
「魔王様の御前で出過ぎたまねをしてしまったようだ」
という去り際の台詞と同時に、周囲に得も知れぬ異様な気がはびこり始めた。どうやらその気の先、屋上にいるモノが今回の事件の元凶であるようだ。
屋上へと走る勇者達。そこで彼らが目にしたのは、禍々しい巨大な目玉の化け物「魔王傀」。
勇者達は、その怒りと友を愛する心で魔王傀を討ち砕くことに成功した。同時にコルク王国の国民達も正気を取り戻す。
自らの無力さと魔王軍のやり口に、怒りを禁じ得ない龍刹姫。勇者達は、そんな彼女に次第に惹かれ始めているようであった。
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□用語説明 |
説明、解説:名癒理 |
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「自分を信頼してくれる臣下の者達を、
私はこの体を張ってしても護ることが出来ない」
龍刹姫の言葉より |
「私は闘いは好きだけど、戦争がやりたいわけじゃないわ」という言葉に代表される、龍刹姫の国民への愛からでた言葉ですわね。とてもあの方らしい言葉ですわ。
戦争が起これば、兵士達は敵兵を殺し、傷つき倒れていく。彼女は、兵士達が死んでいくことについては言うまでもありませんが、彼らが敵兵士を殺すことについても心を痛めているようです。殺すという行為自体の罪、そして、その行為を犯した者の心にこびりつく、拭われる事なき罪の意識。
彼女は、自分だけが闘い、傷つき、殺せばいいと願ってやみません。それは、魔王の姫という血に生まれついた彼女の、コンプレックスかも知れませんわね……。
痛みも、悲しみも全て自分が背負って、自らを信じてくれる国民達に尽くしたいと思っている、そんな一面がかいま見えますわ。
……でも、その荷物を分けて欲しいと願う者達が居ることも、忘れないで頂きたいですわ。
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魔王傀 |
→用語辞典(ま行 |
「魔王」の体の一部より生まれ出る、「魔王」に最も近い存在のクリーチャーですわ。
「魔王」の能力や機能、器官を模したものを持ち、今回出現したモノは魔王傀(目)。
……目であの戦闘力、魔王様の力は計りしれませんわ。
他に魔王傀(口)、魔王傀(翼)魔王傀(手)、魔王傀(剣)等が確認されている様です。
彼らは「魔王」と同質の強大な魔力を持っていて、主に国を攻撃するための兵器として運用されることが多いですわね。そして、「魔王」と視覚や聴覚といった感覚を共有することが出来、「魔王」が彼らを直接操ることも可能らしいですわ。
ただし、通常時の魔王傀は知能や知性といったモノをほとんど持っておらず、あらかじめ設定されている命令に従ったり、キーワードに反応したりする事をのぞけば、獣や、一般に言うモンスターといったモノに近い……ここから察するに、魔王傀は必ずしも意図して作られたモノではない、と言うことですわね。
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□勇者達の質問!
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Q:「魔」とは何ですか? |
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私たち魔族の根幹にある属性、「魔」。
生来もっている、何れかの12属性、「地」「水」「火」「風」「生」「負」「雷」「幻」「光」「闇」「氷」「滅」の他にこの属性を持つ者が「魔族」と呼ばれます。 |
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その魔族の姫である、旋璃亜様から生まれた私達も「魔族」だゾ。
使い魔だってちっちゃいからって馬鹿にするな! |
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忌まわしきもの、邪悪なるもの、破滅を導くもの、という意味を併せ持つ存在、またはエネルギー。
「魔王」 の一族や一部の神はこれを自らの属性として、本来の12属性とは別に持っていますわ |
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何か結構すごい属性なんだね。
でも、普通に生活してる分には問題ないからいいんじゃないの? |
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だよね。
でも人間はあんまり快く思ってないんだよね? |
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はい、それも一部の人間は、ですが。
その属性の与えるイメージ、生まれながらに持つ高い魔力があれば、無意にそうした態度になってしまう事もあるのでしょう。 |
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あたしらわるくないじゃんか!
なんで人間は私らのこと嫌うんだ! |
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質問の趣旨とは大分ずれてきて居ますけれど、
言われなき差別、確執はいつの時代にもあるモノですわ。
それが決定的に違うモノならばなおさらでしょう。
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みんな、仲良くできたら良いのにね>< |
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